摂食障害の特徴として、異常な「痩せ願望」と「肥満恐怖」があります。
痩せれば痩せるほど、もっと痩せたいと思うようになり、太ることへの恐怖が増します。
体重計の数字が全てになり、1kgでも増えればパニックになり、食べる量や水分までも制限します。
私も初めは、5kg位痩せられればいいな、という軽い気持ちでしたが、48kgになれば、次は45kgまで痩せたい。
45kgになれば40kgまで落とせるはず。
40kgになれば、30kg台への憧れが出でくるのです。
街を歩いていて、自分よりも痩せている人を見かけると、「あの人より、痩せたい」、「もっと頑張らなくては」と思いました。
痩せる=頑張ってる自分
痩せる=達成感
痩せる=勝つ
になっていきました。
痩せれば痩せるほど、決まった物しか食べられず、食べる時間にも縛られてくるので、家族や友達と食事に行くことが出来なくなり、楽しかった食事の時間はなくなります。
常に空腹なので、食べ物のことが頭から離れず、授業も集中できなくなり成績はどんどん悪くなりました。
今までの、日常生活を送れなくなっても、楽しいことがなくなっても、とにかく「痩せたい」と思ってしまいます。
一度、医師から体重を測らないように言われ、家族は体重計を隠します。
体重を測らないことで楽になりましたが、すごく太った気がして食べるのが怖くなり、こっそり自分で体重計を購入しました。そのことで、家族と喧嘩になることもありました。
体重計の数字に一喜一憂する毎日。
とにかく、500gでも減っていれば、嬉しかったし、増えていれば、負けた気持ちになり、食べる物を減らし、運動を増やします。
痩せていることは、私の全てで、それがなくなってしまったら生きていけないとさえ思っていたのです。
自分でも、おかしいと思うのですが、痩せたい気持ちは完全にコントロール不能でした。
現在は痩せたい気持ちは、ほとんどなくなりましたが、「肥満恐怖」は健在です。
食べると、際限なく太ってしまう気がします。
「肥満恐怖」と向き合うことが今後の大きな課題です。
少しずつ「痩せ願望」と「肥満恐怖」について、掘り下げて考えることができるようになってきました。
私の場合、痩せていると安心するし「心配してもらえる」、「気にかけてくれる」、「出来ないことがあっても痩せているから仕方ない」、「特別でいられる」、「守ってもらえる」などと思っていました。
でも、実際はそんなことないと思えてきました。痩せていても、心配してもらえないし(心配してほしいという気持ちも問題)、特別などではないことに気がつきました。
太る恐怖は、まだまだ取れません。多分、過食だけで太ってしまっていたら、引きこもりになっていたでしょう。
回復に体重増加は必ずついてきます。今後の課題でもあり、太る恐怖が少なくなれば、回復も早くなるはずです。
「痩せ願望」と「肥満恐怖」は摂食障害の症状の一つとも言われています。
これからも、「痩せ願望」と「肥満恐怖」については考えていきたいと思います。