摂食障害は「心」と「身体」、両方を蝕んでいきますが根本は「心の病」です。
症状だけを見ると、栄養をとって体重を増やさなければ、過食や嘔吐を止めなければと考えてしまいます。
本人は、食べなければいけない、食べ過ぎてはいけない、吐いてはいけない、などと頭で分かっていても出来ないのです。
意思が弱い訳でも、甘えている訳でもないのです。
本当に出来ないのです。
そこで、まずは「心」の回復を考えてみました。「心」が少しでも楽になるように。
20年近く病気と生きてきた中で、心が満たされる、心が楽になった具体的な例を挙げていきます。
一人で出来る物と、人との関わりで出来る物があります。まずは簡単に一人で出来ることか、始めてみるのもいいかと思います。
★一人で出来る編
①眠る
拒食でも過食でも、過食嘔吐でも心は限界まで疲れています。睡眠は疲労回復のほか、脳内の情報の整理やストレスに強くなる効果もあります。眠れなくなるのも症状の一つですが、眠れる時は寝てください。横になるだけでもいいです。
休息をとると太ってしまう。動いていないと太ってしまう。と思ってしまうかもしれませんが、休息をとっても太りません!私も休むと太ってしまうと思っていましたが決してそんな事はありませんでした。実際、2ヶ月ほど、ほとんど寝ていた時期がありましたが、太る事はなかったです。
眠れない時は、薬に助けてもらうのも一つの方法です。医師と相談して処方してもらうことも出来ます。
②音楽を聴く
症状が酷くなると、自分の感情が分からなくなり、楽しい事も好きな事も分からなくなってしまいます。そんな時は、ただただ、音楽を流すのもいい方法です。クラシックでも、邦楽でも洋楽でも何でもいいです。音楽がうるさくて嫌な時は、波の音や鳥の鳴き声、水が流れる音を流すだけでも、気持ちが楽になる時があります。
③お風呂に入る
身体が暖まると心も暖まります。湯船に入れない時はシャワーだけでもいいと思います。好きな香りの、シャンプーや石鹸、ボディクリームを使うのもいいですね。
注意することは、痩せる為と考えないこと。半身浴をしすぎて、のぼせてしまったり、貧血や低血圧で倒れる危険性もあるので、あくまでも心を楽にする為だと思ってください。
④映画を観る
辛い時、よく一人で映画館に行っていました。同じ作品を5回も観た事もあります。映画を観ている時は、病気の事も食べ物の事も忘れられました。体力がなくてもただ座っていればいいので、簡単です。過食嘔吐に時間とお金を使ってしまい難しい時もありましたが、観たいと思った作品は思い切って観てよかったです。時々、涙が止まらなくなる事があります。泣ける映画ではないのに、なぜか泣いてしまうのです。多分、感情を抑えているためでしょう。泣くとスッキリします。コルチゾールというストレス物質も涙と一緒に体外に流れ出るそうです。
★人と関わる編
①大切な人に辛い気持ちを伝える
摂食障害は辛く、苦しく、孤独です。一人で抱えきれない程の荷物を持っています。家族や友人に、辛くて苦しいと伝えてみてください。摂食障害だと言えなくても、自分の気持ちを伝えると驚くほど楽になる場合もあります。否定されて傷つく事があっても、分かってくれる人は必ずいます。直接、言えない場合は、電話や手紙、メールでもLINEでもいいです。自分の感情を言葉にしたり、文字にする事は回復する上でとても重要です。
②同じ病気を抱えている人と交流する
摂食障害は理解されにくい病気ですので、同じ病気で苦しんでいる人、病気から回復した人と交流すると、辛さや苦しみを分かち合えます。孤独感は少なくなります。悩んでいるのは自分だけではないと思うだけで救われます。今はネットで繋がる事も出来ますし、自助グループに参加してみるのもいいと思います。
先日、半年ぶりに摂食障害の友人と会いましたが、とても楽しく、心が満たされました。特に摂食障害について話した訳ではありませんが、どこか共通する考え方や、感じ方があるんだと思います。これからも、大切にしていきたい。体重や体型よりも、友人との時間を大切にしたいと改めて思えました。
★その他編
①ペットを飼う
犬でも猫でも魚でもいいので、生き物を飼うのもお勧めです。人と関わるのが、嫌になった時にもペットは純粋な瞳で自分を見てくれます。摂食障害でそんな余裕がないという人は、猫カフェなどに行ってみるのもいいかもしれません。生き物を飼う事は、責任を持つ意味もあります。
②旅行に行く(出来れば海外)
もちろん国内でも、小旅行でもいいと思います。非日常の中で、新しい発見や感動、出会いなど貴重な経験が出来ます。旅行中の食事が上手くいかなくてもいいです。自分の殻に閉じこもると、益々、視野が狭くなり、偏った考えになってしまいます。知らない土地に行き、初めての経験をするのも、回復への一歩です。
今のところ、こんな感じです。