摂食障害は、とてもお金がかかる病気です。
回復するのに年単位の時間を要するので、通院費や食費など驚くほどお金が必要になります。
そのため、無理に働いて症状が悪化したり、水商売や風俗で働かざるを得なくなり、自分を追い込んでしまうのも病気の悪化になります。また、万引きで警察に補導されたりと、悪循環に陥りやすくなります。
★具体的な内訳
①医療費
残念ながら、現在、摂食障害を治す薬はありません。また、必ず誰でも治る治療法も確立されていません。しかし病院に行くと、症状や身体状態から様々な薬が処方されます。抗鬱剤や抗不安薬、カリウム剤、胃腸薬。気持ちを落ち着かせる、鬱状態や身体状態改善などを期待するものです。近年、日本でも広く使われるようになった薬、SSRIはとても高額です。
私は拒食が強い時は薬を飲む事に強い抵抗がありました。薬を飲む事で太らされるのではないかと考えていたのです。今はそんな考えはないので、最小限の薬だけ飲んでいます。薬で気持ちが一時的に落ち着く時もありましたが、摂食障害が寛解する事はありませんでした。
通院も診察代のほか、通院にかかる交通費も考えると負担はかなり大きくなります。
カウンセリングは医療保険がきかない場合もあり、一時間で一万円以上かかるところも多いようです。心理療法なども、一度の診察に一万円近くかかることも珍しくありません。
入院すれば入院費も高額です。私は緊急入院の時、個室しか空いていないことが何度かあり、一日8000円近くかかったこともあります。退院するときの支払いでびっくりしました。
嘔吐やチューイングにより、歯にも様々な影響が出てきます。胃酸により歯のエナメル質が溶けて、知覚過敏、虫歯に悩まされます。20代や30代で自分の歯を全て失い総入れ歯になってしまう方もいます。歯は一度失うと、再生は不可能です。新しい歯が生えてくる事はありません。セラミックを入れると、一本6万円ほどかかります。歯の治療も保険が適応外の事もあり、高額になる事が多いです。私も歯にはお金をかけてきましたが、長年の過食と嘔吐により虫歯になりやすく、酸蝕歯になっていると思います。歯のケアは今後の課題でもあります。
②食費
一番お金がかかるのは食費です。拒食で特定の物しか食べられなくなるのもお金がかかります。カロリー計算をした宅配の食事を長年続けるのも高額になりますし、低カロリーの食品も少し高めの物が多いです。0カロリーのゼリーや飲み物、お菓子も少し高いですよね。私は0カロリーの甘味料を使ったり、ゼリーは毎日、食べていました。0カロリーの甘味料の価格は800gで2000円近くします。
一時、海苔にハマった時期があり、5年位、海苔を食べ続けていました。海苔は低カロリーでゆっくり食べられるので、一日に大判の海苔を30枚以上食べていました。海苔は以外と高価なのです。両親が問屋から安く買っていましたが、今、考えると相当な金額になります。調べたところ、10枚で500円でしたので、海苔代だけで、一日に1000円以上かかっていたことになります。
そして、私も皆さんも一番、悩んでいるのが過食代です。菓子パン、カップ麺、お菓子、アイス、揚げ物、パスタ、何でも過食します。私は今は、自分で料理をしてなるべく、野菜や、お肉やお魚を過食しています。それでもかなりの金額になります。今は菓子パンやお菓子、ジャンクフードには興味がなくなりました。
過食が始まったころは、菓子パンやお菓子、カップ麺などを詰め込むだけでしたが、今は、自分で料理した物を、なるべく美味しく過食するようにしています。
外資系の会社でバリバリ働いていた時は、一日で一万円くらい使ってしまうことも多く、お給料のほとんどが過食代に消えていました。今もかなりの金額を過食代に使ってしまいます。そんな自分が本当に嫌になります。
過食代がなければ、もっと余裕がある生活が出来るはずです。
過食嘔吐を減らす事も、今後の大きな課題です。
両親は私に、「sachiには、立派な一軒家が建つくらいお金をかけた」とよく言っています。言われると辛いですが、事実なので何も言えません。
③その他
摂食障害と関係が深いアルコール、タバコ、ギャンブルなどにもお金はかかります。買い物依存症にになってしまう方もいます。
このお金をどこから得るのか、次の記事に書いていきたいと思います。