菓子パンと優しさの半分こ


摂食障害になる人は自分に厳しかったり、自分を責める人が多くない??

私は、自分にも他人にも厳しい。正確には厳しかったのかもしれない。学校の成績が悪ければ、勉強したし、雲梯が出来なければ、放課後は一人で練習した。

思春期は特に自分に厳しかったように思う。部活に塾に、ピアノ。テニス部で朝練もあり、勉強する時間が限られていたが、定期テストで学年3位は死守しようと、思っていた。

部活から帰ると、菓子パンを食べながら、塾に直行し、帰宅後は次の日の予習をしていた。塾は週3回。ピアノは週1回。ピアノは練習したけど、センスがなかったのだろう。上手くはなかった。近くに住む友達の方が、遥かに上手かった。

勉強が出来ないのに、遊んでいるいる人が理解出来なかったし、見下ししていた。先生に怒られるようなことをする、同級生達も信じられなかった。

その頃、太っていた自分が許せなくなっていた。体育の時間に、足を出すのが、本当に嫌だった。

人を見下しているのに、自分は太っている。痩せられない。勉強では勝てても、体重や体型では勝てない。

もちろん、太っていることを指摘されたり、バカにされたりもした。

あだ名は「sachiko-buuuuu」。buuuuuって豚だからね。  

豚の私は、高校生になり、自分の感情を抑え、勉強とダイエットにのめり込んだ。進学校だから、より一層、自分に厳しく、勉強し、自分を責めながら、体重を落とした。

自分が痩せると、太っている人が許せなくなっていた。

勉強や痩せる努力をしない人には、特に厳しい感情を持っていて、嫌悪感も抱いていた。不器用で、太っているsachiko-buuuuuはヒエラルキーの一軍になろうとしていた。ファッション雑誌を読み、流行に敏感になり、自分の感情には蓋をして、嫌われないように、豚と言われないように努力した。

摂食障害になってからは、他人に関心がなくなり、自分への厳しさだけが残った。仕事をして、家を出てからもそれは、続いた。

仕事もコミッションで働き、成績が全てだった。自分の感情が分からないから、数字で測るしかない。結婚してからも、ハードな仕事と家事の両立に、必死になった。

数年後、鬱状態になり会社を辞めた。

ようやく自分の本当の問題と、向き合えるようになり、自分も他人も許せるようになってきた。

痩せていることが、偉い訳でも、正しい訳でもないし、太ったら負けでもない。

上手く出来ない自分も、努力しない自分も、ダメな自分も、仕方ない。他人への厳しさも、同じように、人を見下すことは、少なくなり、努力しない人がいても、それはその人の生き方で、私が口出しするものではない。(まだ、どこかに人を見下す癖がありますが)

昨日、菓子パンを食べた。上司(バイトリーダー)が買って来てくれたのだ。私がセブンイレブン信者であることを知っていて、休憩中に徒歩5分の、セブンイレブンまで買いに行ってくれた。ほとんど休憩を取らない、彼にとっての徒歩5分は遠いと思う。炎天下だしね。

菓子パンなんて、食べられないと思っていたけれど、上司と半分こして、食べた。

一回りも年上の私が、「半分こしましょう!」と言ったのがツボだったのか、「半分こ?えっ菓子パン半分こなんて、初めてだ。」とずっと笑ったいた。

そういう何気ない、優しさや、気遣い、笑うことで私は、救われている。

自分にも他人にも、厳しくするのは簡単で、優しくしたり、許したりする方が難しいと思う。

たかが菓子パンでも、摂食障害になると、恐怖の食べ物。

そんな菓子パンを食べられたことで、また少し、自分を許せたのかもしれない。そして、他人への厳しさも、減った気がする。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です